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本当に綺麗に熟成がすすんでおり、シルキーなタンニンの溶け込んだ薫り高い高貴な液体は美しいとしか言いようがありません。
祈りを捧げたくなるような一杯です。
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
アンジェリュスは常に、非常に大衆的な魅力を備えたサン=テミリオンである。大量生産されるワインの多くが輸出されていること、美しいラベル、魅力的でしなやかなスタイルなどによって、熱心なサン=テミリオン愛好家の中にもアンジェリュスの信奉者は多い。アンジェリュスはマゼラ・ヴァレーにあり、ブドウはその下方斜面の石灰質の粘土質ロームと、粘土が砂に入り混じった土壌に植えられている。畑全体が、完全に南に面している。
1960年代及び1970年代のアンジェリュスのワインは、若いうちは魅力的で強烈な果実味があるものの、ほんの数年のうちにそれが崩壊してしまっていた。しかし、1980年代になってすべてが変わった。ボルドーのエノロジストとして著名なミシェル・ロランをコンサルタントとして迎え入れたところ、彼はワインを100%オーク樽で熟成させるべきであると主張した。それ以前は、ここのワインは発酵槽で熟成され、オーク樽での熟成はまったくさせていなかった。小さなオーク樽(ポムロールのル・パンのような)で発酵させることにより、ここのワインは並はずれた複雑さと強烈さが備わった。これは、小さなシャトーが、多額の資金を労働力につぎ込むことをいとわない人々にしかできないことだ。なぜなら、時間がかかり、ひどく骨の折れる製法であるからだ。
その成果は驚くべきものであった。若き所有者であるユベール・ド・ブーアール・ラフォレもまた、以前よりもさらに厳しく選別して、グラン・ヴァンに最高の素材のみを使うようになったのは間違いない。1985年のサン=テミリオンの格付けにおいては、アンジェリュスは第一特別級への昇格を果たせなかったが、1996年には格上げされたのだった。
「新しい」アンジェリュスのスタイルもまた、強烈で、リッチで、しなやかで、ふくよかな果実味があり、若いうちに飲めるという特徴が強調されている。しかし、いまやこのワインの色は深みを増し、凝縮感があり、よりよい熟成を促すタンニンも増している。過去30~40年における最上のワインは、深遠な2000年、1998年、1996年、1995年、1994年、1990年、1989年、そして1988年である。それより古い、1986年より前のヴィンテージについては、かなり注意が必要である。こうしたワインの多くは、味が完全に分解してしまっているからである。